Sunday 12 May 2013

母の日




イギリスにも母の日があるのだが、やっかいなことに、毎年、日にちが異なる。大概3月だが4月になるときさえある。その日は四旬節(キ教)の第四日曜日なので、ボクには全く分からず、よって、何もマミーにあげたことがない。

日本の母の日は5月の第二日曜だそうだから、とても分かりやすい。今日が母の日だ。だけれども、ボクはマミーに何があげられるだろうか? モノは無理なので、やはり行為になるだろう。キスしてあげてもいいなあ。抱きついてあまえてあげてもいい。ひざの上に座ってあげるのもいいだろう。


でも、それじゃ、いつもとちっとも変わらないではないか。いやいやそうではない。いつもはボクがしたくてしているけれど、今日はマミーのためにするのだから。プレゼントになる。好意をあげることになるのだ。

マミー自身は、お母さん(ボクの歯のないおばあちゃん)に何をあげたかというと、ブルー系のブラウスと上着のアンサンブルをプレゼントしたそうだ。マミーは長年海外にいたので、何年も母の日にプレゼントをしたことがない。それで今年は、「母のいる幸せ」「母にあげられる喜び」を感じている。実はモノは、「もらう」より「あげる」ほうがずっと嬉しくて、あげられる喜び、自分が人に何かしてあげられる、という喜びを感じることができる、とマミーは言う。

老人ホームに年老いた母を訪ね、プレゼントのブラウスに即着替えさせて、マミーの姉さん夫婦と一緒に車で、叔父さん(母の実弟)の入院している病院に向かったそうだ。車中では、「ホームの食事はまずくてね。おそばをみじん切りにして出すもんだから、お箸で食べるのが大変でね、苦労するよ」と、おばあちゃんの真剣な笑い話は尽きなかったそうだ。病院では、90代の姉と80代の弟の何年振りの再会だったのだろうか。何よりのプレゼントだった、とマミーは25年分の母の日の喜びをかみしめている。

ボクは今夜は夜回りしないで、早めにマミーのベッドに潜り込んであげようと決めた。「ありがとうマミー、ニャン!」



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