Saturday 7 September 2013

孫悟空の煙突掃除



「東京ストーブ」のお兄さんが二人やってきた。巨大掃除機が運び込まれ、ボクは階段のトップにすぐさま逃げた。

しかし、興味津々、おっかなびっくり、下を見下ろすと、どうやら薪ストーブの掃除が始まるようだ。お兄さんが一人しかいないなあと思った瞬間、「ビューンゴーゴー…」と凄まじい音がして、ボクは慌てて二階のベッドの下に逃げ込んだ。

しばらくして、何だか外が気になり、窓から上を見上げると、何ともう一人のお兄さんが棒を持って煙突の天辺にいた。ボクはふっと思った。孫悟空がキント雲に乗って我が家にやってきて、煙突にピョンと飛び降り、にょい棒で煙突掃除しているみたいだなあと。

そろそろ終わりのようなので、ボクは忍び足で階段を下りていった。
「最近の煙突掃除はススや埃がでないんですね」
と言って、マミーが二人に麦茶を差し出す。
高い所も何のその、勇敢な孫悟空のお兄さんは、煙突掃除したとは思えぬほど爽やに、軍手をはずして冷たいお茶をゴクンと一口、それからボクの頭を優しく撫でた。

悟空は一年に一回やってくるのかなあ? 悟空のおでこが汗で光っていた。

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