Saturday 9 February 2013

抜く? 抜かない?



抜く? 何を抜くのかというと、自分の毛。誰が抜くのかというと、言わずと知れたこのボク。こんな広い家で走りたいだけ走れて、大好きな階段もあって高い所にも行けて、家中ポカポカでこたつ(日本の猫の冬の必需品)なんて要らない。幸せ度はかなり高いはず。だのに、また抜いてしまった。毛繕いをしていると見せかけて、時にはボールで遊んでいる振りをして、毛抜きに入るのだから、ボクはなかなかの策略家である。


ロンドンで過ごした子猫のころは、四六時中抜いていた。でも確実に理由ありき反抗だった。思い通りにならないと当てつけ抜き、おんもへ出られないとわがまま抜き、独りぼっちで寂しいといじけ抜き。まあ、自分勝手な子だったわけだ。クリニックでストレスと診断された。

その治療法:1. 癒しの匂いボトルを居間のコンセントに差し込む
      2. 一日二回、ハーブレメディー液を飲む

にがいのにがくないのって、ゲーがでそうで、マミーがボトルを持った瞬間に逃げ出した。壁際に置かれたベッドに強引に押さえ込まれ、開閉口をめぐる壮絶な戦いだった。約二年間、まあマミーもよく頑張ったものだ。

考えてみると、一部分抜いてもまだまだ他の部分に毛がある故、また抜きたくなる。抜いても、数週間たつとまた生えてくる故、また抜くことができる。と、論理ともつかぬ理屈をこねてもみる。

「ピノ! 何回言ったら分かるの!? またこんなに抜いて。もうボーイじゃないのよ。あと3〜4年したらシニアになるんだからね。シニアになったら、もう毛が生えてこないのよ!」
と、信憑性の高い、怒りとも言えそうな助言にこの大きな耳がピクピクと反応する。

ボクがブサネコになってしまったら? 絶対に奴らにバカにされる。そして、同類になったら? 迫りよるブサにゃん子たちの桃色吐息が… ギャー  助けて! 逃げろ〜 もう抜かない、抜かない、ニャンニャン…。


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