Monday 21 January 2013

あじの干物



ただいま〜!
マミーが旅行から帰って来た。ボクはダディのダウンジャケットにくるまったまま、おっくうだったので顔を出さなかった。いつものお友達三人とマミーは伊東温泉に行ってきたのだ。ダディとボクは留守番だった。でも全く問題なかったね。

夕暮れは、やさしく燃える薪ストーブの前で、ダディに寄り添い身も心も温まり、夜はダディのベッドに潜り込み、ボクたちはますます親交を深めたのだ。ますますお父さんっ子になっていく気がする。

おっと危ない!
ちらかった部屋を片付けようと、マミーが不注意にダウンジャケットを取ろうとした。
「あらっ、ピノ、ここにいたの!?」
「めっちゃ乱暴だなあ…。お帰りなさい。ニャン」

あっ、お土産が置いてある。これが伊豆名物『あじの干物』だな。
「みかん狩りしてきたのよ。これはスウィートスプリングという新しい品種。普通のみかんは全然なかったけれど、楽しかったわ」
と、その干物の横に置いた。今年はみかんは鳥にやられてしまい、どこのみかん園も全滅らしい。ウチの柿を食べに来る憎き鳥たちの仲間は静岡でも悪さをしているようだ。

でも、ボクはみかんもスウィートなんとかも、どうでも良い。ダディの大好物の伊豆のあじの干物は絶品らしい。絶対にボクにもおすそわけをしてくれると確信している。だって、ずっとダディにつきあってあげたのだから。ワハハハハ!

あじの干物を買って来て、とマミーに頼んでいたのをボクは決して聞き逃しはしなかったのだ。

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