Saturday 12 January 2013

夜のパトロール



近頃夜更けに、まるまる太ったブチが庭にやって来る。つかつかと奥まで入ってきては、ボクと窓硝子越しににらめっことなる。すかさずボクは廊下を右に左に行ったり来たり,シッポを膨らませてうなり続けるが、インフレイタブル(空気を入れて膨らませた)のような肥満体はじっと肝っ玉を据えている。一度針か何ぞでプツっと穴を開けて、空気を抜いてみたくなる。しぼんでゆく姿が目に浮かぶぞ。


「またなの!?」と、マミーが廊下の電気をつけた。

この辺りでは、エサだけ与えられて、家の中には入れてもらえぬ飼い猫がけっこういるらしい。厳冬の夜には、人情希薄になった下町界隈とお見受けするが…、だからといって、ボクの私有地に侵入を許可するわけにはいかないのだ。しかし、一体何を食べたらあんなに太るのか、案外何もストレスがないのかなあ、それにしても、猫だって肥満はよくないだろう、と細身のボクは思案に暮れる。

ああ、今夜もまたアイツが来る時間だ。そろそろ夜のパトロールを始めるとするかあ…。

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