Saturday 16 March 2013

竹馬の友の匂い



 以前確かにどこかで会ったことがあるふたり、なぜだかとても懐かしさを感じるふたりが我が家にやってきた。においを嗅いでみると…「あっ、アルフィーの匂いだ!」。このふたりはロンドンの親友・アルフィーのパパとママだったのです。


「アルフィーのパパとママ、お久しぶりです。また会えて嬉しいです。ようこそ我が家に。アルフィーはどこですか。今日は一緒じゃないんですか!?」
「ごめん、アルフィーはロンドンで留守番なんだ」
「そうですか。ニャン……」


そういえば、ふたりが出かけるときは、アルフィーはいつもボクの家に連れて来られていたなあ。でも、我が家はもう東京に引っ越してきてしまったから、彼は今はどこの家にあずけられているのだろうか、ちょっと心配になってきた。体は大きいが、パパとママが恋しくて、いつも夜鳴きしていたからなあ。

「一緒に遊ぼうよ。アルフィー、こっちこっち! う〜ん、とっても気持ちいいよ。君の毛繕いはピカ一だね。ボクもしてあげる…」

嗅覚にしみ込んでいた、竹馬の友との思い出が、やけに懐かしい春の昼下がりである。

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