Thursday 20 December 2012

11/29 東京下町の猫になったボク



「日本では珍しい種類だね」
「下町にはいないネコだね」
と、訪問客が口々に言う。日本ではボクは珍猫らしい。

「あっ、マミー、庭にデカイ猫が来たヨ」
「見かけない猫ねえ。どこの家の猫かしら」
と、素っ気ない。ああ、ボクは家から出られない。ここからアイツを追っ払う手だてはないものか? あれっ、裏手にまわったぞ、どうしたらいいんだ。二階に行けば、裏が見えるかもしれない。ヨシ、階段をひとっ飛びだ。

ああ、お次はあの図々しいノラだ。
「新参者は問答無用! 俺のテリトリーだ!」
と、言わんばかりにドンドン奥まで入ってくる。勘違いも甚だしい。ボクの庭に無断侵入するなんて。
「待て! 今階段を駆け降りていくゾ! ギャーオギャーオ…」

下町じゃ、のんびり昼寝なんかしていられない。作戦をねらねば。いつか戦うゾ! ボクだって、東京下町の強い猫になったのだから。

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